更新日:2026年4月19日 · 読了時間 約10分
Binance の先物は大きく2系統あります。USDⓈ 証拠金先物(USDⓈ-M Futures)はステーブルコインで決済、コイン証拠金先物(COIN-M Futures)は BTC・ETH・BNB などの通貨自体を証拠金と決済通貨にします。長期ホルダーにとってコイン証拠金は、通貨建て収益を増幅し、通貨リスクをヘッジし、ベーシス裁定を行うための中心的ツールです。本記事では 2000 字超のボリュームで、コイン証拠金の仕組み、計算式、清算ロジック、実戦3戦略、初心者の落とし穴チェックリストまで丁寧に解説します。
コイン証拠金先物(COIN-Margined Futures、略して COIN-M)は Binance が 2020 年 8 月に開始したデリバティブです。最大の特徴は暗号資産そのものを証拠金と決済通貨に使うことです。例:
USDⓈ 証拠金はどの通貨ペアでも USDT/USDC で証拠金・決済を統一していますが、コイン証拠金の本質は「コインでコインを稼ぐ」であり、長期ホルダーの発想と非常に相性が良いのです。
| 項目 | USDⓈ 証拠金 | コイン証拠金 |
|---|---|---|
| 証拠金資産 | USDT・USDC・BFUSD などステーブルコイン | BTC・ETH・BNB などの基軸通貨 |
| 決済通貨 | ステーブルコイン | 対応する基軸通貨 |
| 契約額面 | リニア(数量×価格) | 逆数型(1枚固定ドル額面) |
| 損益曲線 | リニア | 逆数型(非線形) |
| 向いている人 | ドル建てでリスク管理したい人 | 長期ホルダー・マイナー・ヘッジファンド |
ポイントは「逆数型契約」の非線形損益です。BTC 価格が急騰するとロングで得られる BTC 数量はむしろ減少します(1 枚分の BTC 価値が価格上昇につれ減るため)。しかし元本の BTC そのものが値上がりしているので、ドル建ての総資産は増えています。初心者がもっとも混乱するポイントです。
コイン証拠金先物は「枚」単位で取引:
よって「BTCUSD 無期限 100 枚」= 10,000 ドルの想定エクスポージャー。
必要証拠金(通貨)= 枚数 × 1枚額面 / 建玉価格 / レバレッジ
例:BTCUSD 無期限ロング 100 枚、建玉価格 60,000、レバレッジ 10 倍 → 必要証拠金 = 100 × 100 / 60000 / 10 = 0.0167 BTC。
損益(通貨)= 枚数 × 1枚額面 × (1/建玉価 − 1/決済価) (ロング)
損益(通貨)= 枚数 × 1枚額面 × (1/決済価 − 1/建玉価) (ショート)
例:BTCUSD ロング 100 枚、60,000 で建玉、62,000 で決済 → 利益 = 100 × 100 × (1/60000 − 1/62000) ≈ 0.00538 BTC(約 333 ドル)。
| ユーザータイプ | 推奨レバレッジ | 推奨モード |
|---|---|---|
| 初心者 | 1〜3倍 | 分離 |
| 現物保有+ヘッジ | 1〜2倍 | 分離(ヘッジ専用口座) |
| トレンド取引 | 3〜10倍 | 分離 |
| 裁定・マーケットメイク | 5〜20倍 | 交差 |
| フルベット(非推奨) | 50〜125倍 | 状況次第 |
コイン証拠金は逆数型の清算価格計算を採用し、USDⓈ 証拠金と若干異なります。要点:
コイン証拠金のロング保有者にとって価格下落はダブルパンチです。ポジション損失+ BTC 担保の価値下落。そのため同じ下げ幅でも USDⓈ より早く清算されます。これがコイン証拠金が USDⓈ よりリスクが高いと言われる根本的な理由です。
マイナーの張さんは毎月 1 BTC を採掘しますが、3 ヶ月後の価格下落が心配です。
操作:BTCUSD 四半期先物で 10 枚(想定 1,000 ドル)をショート、証拠金 0.001 BTC、1 倍レバレッジ。
3 ヶ月後、価格がどう動いても売却価格をロックできます。
適合者:マイナー、長期ホルダー、機関のヘッジャー。
李さんは 10 BTC を保有しており、今後 1 年の上昇を期待。
操作:2 BTC をコイン証拠金へ移動し BTCUSD 無期限ロングを 2 倍で建てる。想定エクスポージャーは約 24 万ドル。
1 年後 BTC が 60,000 から 90,000 に上昇すれば、ロングで約 1.33 BTC、現物の値上がりとあわせて総リターンが拡大。
リスク:途中で 40,000 付近まで暴落すると清算されて証拠金を失う可能性あり。損切り設定や定期的な証拠金追加を推奨。
戦略:当四半期が無期限に対して +5% プレミアムで取引されているとき、無期限ロング+四半期ショートを同時に建て、ベーシス収束で利益確定。
実行:BTC で同じ想定元本・逆方向のポジションを 2 つ、レバレッジは 3〜5 倍。
収益源:満期に向けたベーシスの自然収束 + 資金調達料が有利方向のときの二重収益。
適合者:資金調達料とベーシスを観察できる中級ユーザー。詳細は 資金調達料裁定ガイド。
証拠金資産が異なります。コイン証拠金は BTC や ETH などの通貨自体を証拠金と決済に使用、USDⓈ は USDT/USDC。コイン証拠金は長期ホルダーの収益拡大やヘッジに最適、USDⓈ はドル建てでリスク管理しやすい取引に向きます。
最小取引単位です。BTC 契約は 1 枚 100 ドル、他通貨は 1 枚 10 ドル。BTCUSD 100 枚 = 10,000 ドルのエクスポージャー。
分離モードではそのポジションの証拠金まで。交差モードではコイン証拠金ウォレット全体まで。Binance の保険基金が破綻損失をカバーするため通常は借金になりません。
無期限は満期なし、資金調達料で現物連動、短中期向き。四半期は満期あり、資金調達料なし、ヘッジとベーシス裁定向き。
ロング損益 = 枚数 × 1枚額面 × (1/建玉価 − 1/決済価)。ショートは符号を反転。証拠金通貨で決済。
可能です。利益もその通貨で得られ、現物を売らず長期弱気見通しをヘッジする戦略に最適です。
①枚数と通貨数量の混同、②高レバ+交差で一気に元本を失う、③資金調達料を無視して長期保有。1〜3 倍の分離で 1〜2 枚から始めましょう。
本記事は BN-App チームが独自に執筆した学習用の参考情報であり、投資助言ではありません。暗号資産取引はリスクが高いため慎重に判断してください。